凍結精子で夫の死後出産、父子関係認知せず…最高裁

2006年 9月 4日 (月) 15:14

 西日本在住の40歳代の女性が夫の死後、凍結保存していた精子を使った体外受精で産んだ男児(5)が、亡くなった夫の子として認知するよう国に求めた訴訟の上告審判決が4日、最高裁第2小法廷であった。
 中川了滋裁判長は、「現在の民法は死後生殖を想定しておらず、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法がない以上、法律上の親子関係は認められない」と述べ、認知を認めた2審・高松高裁判決を破棄、男児側の請求を棄却した。法的な父子関係は認められないことが確定した。

 死後生殖で生まれた子の認知について、最高裁が判断を示したのは初めて。同種の二つの訴訟では、東京、大阪両高裁が認知請求を棄却(いずれも上告中)しており、判断が分かれていた。判決では2人の裁判官が補足意見で、「早急な法整備が求められる」と指摘。生殖医療が進歩する中、親子関係を規定する民法の改正や新たな医療法制の整備が求められることになりそうだ。

読売新聞より引用
大学の頃家族法の講義でこの話が出たわけですが、それの最高裁の判断が出ました。
原告の家族には悪いけど、立法化への道筋ができただけでもこの判断は一定の評価はしていいものだ。でも、早急な立法化といっても、人の生死にまつわることは倫理面でいろいろともめそうで、今後の動きにも注意を払わなければならない。