クロノクルセイド

なんか、今日古本屋に行くと、このコミックが1〜7巻まで売られていたので悲しくなった。自分にとっては、今となっては手放せない本の内のひとつになっている所為もあり、今日はこれの紹介を。
 時は1920年代のアメリカ、第一次世界大戦に勝利し、未曾有の成長と繁栄を迎えたこの国の闇で、悪魔は依然として人類にとっては恐れられていた存在だった。その悪魔と戦うエクソシストを集めた組織が、マグダラ修道会。そして、主人公のロゼット=クリストファはそこに所属するシスターである。彼女が他のシスターと違うところは、かなりのおてんばであることと、悪魔の少年と契約しているところである。
 ロゼットは、その悪魔の少年クロノを引きつれ、今日も得意?の拳銃で悪魔祓いをするわけだが、いつも何かを壊してしまい、上司のシスターケイトに怒られる日々が続いていた・・・。
 みたいな感じの物語です。実際、この調子で話が進むのは一巻ぐらいで、この作品展開が速いです。
 
ごめんなさい。文章力がなくてここまでしか書けんorz
感想を書くのは簡単だけど、作品を人に紹介するのは難しい、精進せねば。

とにかく、この作品は、ひとつの時代を風のように全力で走りぬけっていった、ロゼットと悪魔クロノの物語です。彼女は、自分の弟を連れ去った悪魔アイオーンを見つけ出し、弟を助けるため、クロノと契約をします。しかし、その代償は、彼女の魂の時間、つまり命です。彼女は、胸の懐中時計の封印を解いて、クロノの力を解放させる度に、命を削っていきます。彼女が何故そこまでできるのかは、実際にこの作品を読んで確かめて欲しいものです。
 このおはなしを一言で表せば「かけがえのない瞬間」でしょうか。このコミックの第4巻の「カーニバルナイト」はそれが表現できていると思います。
 クロノクルセイドは、森山大輔先生の初の長編ということもあり、終盤以降、明らかに話しが膨らみすぎて収拾がつかなくなっているのがわかります。しかし、そんな中でも先生は必死に読者に対してメッセージを送ってきます。エンディングも、王道といえば王道みたいな終わり方ですが、全八巻通して読むと、これでよかったんだなと思わされます。
 たとえ短い生涯でも、彼女は幸せだったと思います。心残りがないといえばウソになるかもしれないけど、大切な人たちとの出会い、思い出があったから。最終巻でのロゼットの「誰かがその人のことを覚えている限り、その人に本当の意味での死は訪れない」の台詞にはぐっと来た。そして彼女の死後、彼女と同じ時間を生きた仲間たちは、様々な方法で、その台詞を実践していった。本当にいいおわりかただったと思う。これは、第一巻からいっしょになって、ロゼットの生き様を見てきた読者にしか分からないと思う。ぜひとも、全巻通して読んでもらいたい。価格は高いけど、その分無駄なエピソードが何一つないから。

ちなみにこの漫画は、昨年アニメ化されました。自分は、視聴可能地域に住んでなかったので、観てません。まだレンタルで、6巻借りたくらいです。世間一般では、アニメのほうは全体のひょうん番もさほど良くないようで、特に最終回の評判は最悪のようです。その原因は、多分、原作ロゼットがあくまでただの人間の女の子として最後まで描かれてたのに対して、アニメのロゼットは、特殊な力を与えられた人間として描かれてしまったことに原因があるようです。ロゼットの魅力は、ただの人間だけど、限られた時間しかないけど、自分の信じた道に向かって立ち止まらず、前に走っていくというものだと思うのです。しかし、アニメのほうは、最後の最後で自分のしてきたことに疑念を抱いてそのまま・・・みたいな感じになっているうえに、彼女の目標であったことが何も達成されず、結局ロゼットとクロノのしてきたことというのは、大きな因果の流れの中のひとつにしか過ぎないわけで、どんなあがいても結果は変わらなかったみたいに終わってることにあると思います。
 まあ、原作ロゼットは、年の割りに意志が強すぎるきらいはあります。しかしの強さは過去に裏打ちされたものであるからです。
それとは対照的にアニメでは彼女は年齢どおりの、意志の弱さを持っています。それは別にいいことなんだけど。最後の最後で、くじけちゃだめだよなあと、掲示板での議論を呼んでて思いました。
 まだ自分で、アニメのラストは見てないのでちゃんとした評価は下せないので、レンタル待ちです。 

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こっちのレビューのほうがいいこといってるな・・・orz